おれの日本映画10

執行猶予中にだって選挙権はあるのだから、愚図のおれだって日本映画オールタイム10を選んだっていいはずだ。
男の魂に火をつけろ!」様方にて「日本映画オールタイム10」アンケート募集があり、概要にはピンク映画もOKとあるので参加する。

01.「赫い情事」 瀬々敬久・葉月螢・1996 *1 
02.「日本侠花伝」 加藤泰真木洋子・1973 *2
03.「清作の妻」 増村保造若尾文子・1965 *3
04.「脅迫(おどし)」 深作欣二三國連太郎・1966 *4
05.「死闘の伝説」 木下恵介岩下志麻・1963 *5
06.「警察官」 内田吐夢・小杉勇・1933 *6
07.「恋人たちは濡れた神代辰巳大江徹・1973 *7
08.「稲妻」 成瀬巳喜男高峰秀子・1952 *8
09.「悪の階段」 鈴木英夫山崎努・1965 *9
10.「完全なる飼育 愛の40日」 西山洋市深海理絵・2001 *10

もちろん、おっぱいで選ぶならば森下愛子「十八歳、海へ」(藤田敏八・1979)が ぶっちぎりの1位なんだけどね。

*1: 原題「来るべき光景」。国映のピンク映画。国映については「ピンク映画と国映・佐藤啓子専務」を読んでちょ。葉月螢がカラオケスナックで唄う「木枯らしに抱かれて」が切ない。

*2: 加藤泰ではやはり桜町弘子とのコンビが印象深く「車夫遊侠伝喧嘩辰」とどちらかで悩みつつもこちらを選ぶ。

*3: 撮影・秋野友宏と増村保造の組み合わせはこれと「夫が見た」の2本しかないけれども、共にいいよね。若尾文子はローキーのモノクロが似合う。

*4: 手持ちでがんがん寄って撮っていくスタイルがすごい。西村晃は何を考えているのか解らない表情が得意なんだけど、それがここでも活かされる。

*5: 木下恵介というと屁ぬるいイメージだけれども、この映画は殺伐としている。敗戦直後の北海道で私戦が始まるという内容で、とことん救いがない。

*6: サイレント映画。警察官と幼なじみのギャングのお話。東京のロケーションと表現主義的な夜の画がいい。

*7: 亀有名画座の最終日の最終上映作品として見る。そんなシチュエーションに泣けてきた。劇中のセリフ「おれ、みっともないの 嫌いじゃないよ」は私の座右の銘である。

*8: 細川ちか子のおんなのいやしさ、中北千枝子のシミーズ姿…成瀬巳喜男のエッセンスが凝縮されたような映画。

*9: これまた表情の読めない西村晃が好演する暗黒映画。

*10: やがて破綻を迎えると分かり切っているがゆえのやるせなさ。深海理絵もさることながら、元ビシバシステム緋田康人が泣かせる。