表札泥棒および火事その他

自宅から表札290枚=窃盗容疑で無職男逮捕−「珍しい名前が好き」・警視庁
他人の玄関先から表札を盗んだとして、警視庁荒川署は17日までに、住居侵入と窃盗の疑いで、埼玉県蕨市中央、無職××××容疑者(42)を再逮捕し、自宅から表札約290枚を押収した。容疑を認め、「珍しい名前で、楷書(かいしょ)体で書かれた表札が好きだった。電話帳で探し、住所を調べて盗んだ」と供述しているという。   (時事通信 2009/02/17-08:34

[左] 私のPCにも表札の写真が結構あって、政治家や日銀総裁、相撲の行司(式守なんとかさん)や吉原にお住まいの吉原さん、なんやらかんやらあるので、この盗人と紙一重の趣味者である。著名人宅や住所まで書いてある表札はまずいであろうから、そのあたりが大丈夫そうな伊藤忠商事さんを蔵出ししてみた。

[中] その昔、団鬼六のお宅に出くわしたことがあり、後になってカメラ持参で出かけたものの、場所がわからずにうろうろしていたら、今度はトトロに出くわした。それがこれである。つい先日、火災にあった阿佐ヶ谷北5丁目のトトロの家の写真もあるのだが、なかなかPCから見つけ出すことが出来ないので、断念。これについてはデイライトバウンドさんの「Feb 15, 2009」が詳しい。

[右] (スペースが浮いたので)円徳寺(日蓮宗・港区三田1-11-2)*1。東京カテドラルに通じるものがあるんじゃね?てなエントリを書こうと想い、引っぱりだしたのだが、よくよく見ると似ても似つかぬものなので止めた。にしても、門と寺がセンター合わせになっていないのは、いらいらする。[追記] いや待て待て。matsukazutoさんが「カテドラルに似てますよ!」というのだから、この際、お言葉に甘えて、似ていることにしよう。この円徳寺は東京カテドラルに通じるものがあるんです。

[追記02] 円徳寺のある日向坂には、三井倶楽部、簡保センターがある。(世間的にはコレラの建築物の方が有名)

村上春樹について

「そうか、これは自己探索の物語なんだ」とぽんと切っちゃうと、それはそれでまた意味がなくなっちゃう。そうじゃなくて、いろんな入り口があって、いろんなルートがあって、いろんな視座があって、その多様さがこの小説の存在を深めているんだというところが、いちばん大事なんですよね。でも、やっぱり世間の多くの読者は、読んだ本が心の中に意味もなくしっかり残っちゃったりすると、不安でしょうがないんです。それをそのまま自然に支えられる人って、現代社会ではむしろ少ないんです。

村上春樹エルサレム賞受賞スピーチに関するいくつかのエントリ・コメントを見るうちに想い出したのが、"裏庭日記 public"さんの「Haruki told so」(2006-05-28)。*2 今から「世界の終わりと〜」を読もうとする者は、おおよそくだんのスピーチにとらわれることになるのだろうけれども、しかしながら読書(文学の本質などということではなく、読書)は、あくまでも上記の引用のようなものであろうと想うのです。

*1: 二の橋のオーストラリア大使館の向かいあたりにある

*2: この引用箇所は「翻訳夜話2」でサリンジャー「The Catcher in the Rye」について語っているくだり…と想われる。