結局のところ、私の人生の最高潮の時というのは、コルベットを買った時ではないか。グランツーリスモ4での話であるが。


横須賀美術館(神奈川県横須賀市

ネットにある鬱病の診断をすると、満点近くになるのである。その質問の多くに「ここ2週間〜」との枕詞がついているのだが、ここ2週間どころか、小学校に上がる前から、寝付きが悪くて、不安で…の私は、いったい何なのであろうか。

ただでさえ不安でしょうがない私を、さらに会社が追いつめる。その元凶はケータイである。

その昔、大井川鉄道にひとりロケハンにいった。日帰りで3回くらい出かけたか。ボーダフォンは圏外であったため、誰からも電話がかかってくることはなくて、河川沿いの桜並木や茶畑を気ままに歩くことが出来た。いくら何でもそんなところで撮らないだろうというところまで歩き、スチールで抑えてまわった。あの時のロケハン写真を手元に残しておけばよかったと時折、想う。

ただでさえケータイで捕捉されているというのに、twitterなどまで実名アカウントであったら、逃げ場がなくなってしまうではないか。おまけに退職後も、捕捉されるのである。だからネットの世界くらい競走馬の名前にさせて欲しいのだ。

連休もいつもと変わらることなく仕事の不安に追いつめられている。同じ会社にあっても、高学歴で人生がうまくいっているニンゲンは金曜日を有給として6連休だなんだで呑気に旅行などに出かけているが、私はといえば打合せだなんだで仕事三昧である。結局のところ、中谷なんとかやシャインズの片割れの就職本を読んだり、合同説明会やらなんやらに出かけたりしたニンゲンには、そのご褒美として連休のある生活を得ていて、場外馬券売り場に逃げ込んだ私はその罰を自らの人生を通じて受けているのに違いないのである。自業自得と言われれば、黙ってうなずくより他にないのは承知している。

この山本理顕の傑作を前にしてもなお、不安はやまず、ケータイが鳴るのに怯えていなければならない。私はほんとうに不仕合わせを生きている。