面影ラッキーホールの新曲・秋 (urbansea on twitter)
『父の背中を見て育った』なんて言うけどさ、あたしが見たのは、土下座する背中。アパートの鉄階段の足音がこわかった。
『あそこの子、いつもあのGAPのパーカー着せられてるわよね』 そんな声がやまないので、マリちゃんを窓から落としました。冬の手錠は前より重い。
参観日はろくに来なかったくせに、傍聴にはくるのね。8年ぶりにあった母の袖からはヒートテック。
わかる? チェンジされ続けたあたしの気持ち。大塚駅が来るたびに想いだす。三十二歳の秋は汚れている。
『もうじきあの子、帰ってくるから』っていうのに胸をもむ、新しい男に小指はなかった。赤い鳥が笑う夕暮れ。
まだパパと呼んだことのない母の新しい男が借り物競走。あんたこそ借り物よ、と つぶやく私はフロントホック。
飛び乗ったバスは行き先が違った。まるで、あたしをこんなにした、あの男みたいで。雨は今日から三日つづく。
2010-10-21 〜 2010-11-12
なお、面影ラッキーホールと、上記の面影ラッキーホールの新曲は何の関係もない。
ちなみに夏版…「面影ラッキーホールの新曲 urbansea on twitter」(2010-08-23)
*1:2010.10 タカシマヤタイムズスクエア(東京都新宿区)