2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

立石ミリオン

いま私のいちばん好きな町、立石には、いまだに立石ミリオンが残っている。ときどき、ここで三本立ての一本を見て、線路脇の、焼鳥一本六十五円の居酒屋で安酒を飲む。映画館とは、時代や状況からこぼれ落ちたいと願う落魄者にとって、もっとも心やさしい隠…

情報と空気感 / 終末の高井戸

CM制作会社に入り初めての撮影後、テレシネ・カラコレを終えたところで、撮影技師が「がっかりした? あんなに時間かけて撮影しても、後でこんな風に色を調整すると知って」と微笑みかけてきた。CMの撮影の場合、おおむね1カット1時間かけて照明を作り…

ピンク映画と国映・佐藤啓子専務

90年代の終わり、ピンク四天王(瀬々敬久・佐野和宏・サトウトシキ・佐藤寿保)とそれに続く上野俊哉や田尻祐司・女池充ら*1が 陋巷の闇で輝いていた時代、葉月螢が女神であり、朝倉大介が黒幕であった。朝倉大介とは、ピンク映画の制作会社・国映の作品に欠…

池袋・人世横丁と文芸坐通り

97年03月06日に東京池袋の名画座・文芸坐は閉館する。ニュースステーションで中継が行われもした。最期の上映作品は成瀬巳喜男「歌行燈」であった。文芸坐は「文芸坐」「文芸坐2」「文芸坐ル・ピリエ」*1の3つの劇場と書店からなっていた。 (宣材「ぶんげ…

「昭和枯れすすき」と久世光彦

「時間ですよ・昭和元年」では、そのコンビも新しく細川俊之と安田(大楠)道代になった。吉原の足抜け女郎と、兇状持ちのやくざ者の設定である。---二人は、やがて心中するに違いない。 久世光彦「昭和枯れすすき」(「マイラストソング4 ダニーボーイ」収…

群衆の中の孤独〜澁澤龍彦

私大生の頃、水道橋ウインズA館の8階にほぼ毎週土日 通っていたのだが、そうこうするうちに顔見知りの年増女が出来て、ある日その年増女にお辞儀までされたことがある。やばいと想うた。どんだけおれはウインズに馴染んでいるんだよ…と。他に「トータライ…

駅前陋巷から世界へ 鶯谷

四ッ谷・渋谷・茗荷谷と地名に「谷」のつくこれらの土地は、地下鉄が地上を走ることで その地がまさに「谷」であることを思い知らされる。同じく「谷」のつく鶯谷、ここは「谷」なんて呑気な言葉の似合う場所でないのはいうまでもない。駅前がいきなり陋巷……

赤羽つったら赤羽さゆりだよな

○ 赤羽さゆりは東京都北区の赤羽出身。google検索すると2chのスレ「【深夜枠】サブカルなテレビ【単発物】」が上位にヒットする。ここの>>280「サブカル的番組と言えば、高橋幸宏が司会してた情報番組「AXEL」。思えば、当時(5年前くらい)が、俺的に…

八王子・川越

高村薫の小説「照柿」は 偶然 出くわしたがために人生を狂わせていく三人の男女のお話である。その宿命はJR拝島駅から始まる。失業したおり、暇に任せて一思いに再読した その明くる日、無性に拝島駅が見たくなり、電車に乗ってわざわざ行ったのだが、もち…

江戸東京たてもの園その他公園

● 2004.06 江戸東京たてもの園(東京都小金井市) 真ん中の写真は、もう少し下にふり 床への映り込みを見せるようにしないといけませんね。そもそも水平がとれていないのだれども。(こんな 安物カメラで4年前に撮ったものでも、このように腹立たしいのだか…

島原・祇園・大阪市街

● 2006.01 大阪市街 左端が法善寺横町。残り二枚は"南"の外れあたり(と記憶)。 ● 2007.01 京都・祇園 なにしろ広々し過ぎていて、これなら神楽坂の本多横町の方がいい。 ● 2008.01 京都・島原 島原大門*1も今やクロネコヤマトがくぐりゆく。右端は輪違屋、…

京都・京阪線沿い

広告代理店が01月05日を年始とするため、その下請けに身をおいた私のそれは06日であった。お陰で帰省先より戻るおり、京都に立ち寄り、毎年05日を開催日とする京都金杯を見るのを行事とすることが出来た。京都駅で押し寿司を買い、京阪電車で とぼとぼと京都…

大和郡山

● 2006.01 奈良県大和郡山市 「戦国の武将・筒井順慶が礎を作った城下町の大和郡山にも二つの遊廓があった」(木村聡「赤線跡を歩く」) 大和郡山=遊廓跡…なのか、そこへ行ってきたと大阪府民に言えば「遊廓 見にいったんか」と すかさず返ってきた。図星で…

飛田新地

● 2006.01 大阪府大阪市 飛田新地 「天王寺の駅から南西の方角へ、狭い商店街を抜け、やや広い通りを突っ切って更に歩きつづけたところに、それはあった。飛田の遊廓である。」 小谷野敦「われ遊廓を発見せり」(「軟弱者の言い分」収録)より 猫猫先生の随…

川崎市民ミュージアム

● 川崎市民ミュージアム ここは映画を見に行くところ。企画のセンスがナイスですね。「具流八郎の世界」(00/02/05〜02/27) これなんて大井武蔵野館や文芸坐地下でもありそうでなかった企画、公共施設とは想えぬあか抜け方に感服*1。ここで見たものを列記す…

岡本太郎

● 2005.12 川崎市 岡本太郎美術館 ● 2005.11 青山 岡本太郎記念館 ● 2006.08 汐留 日テレ / 2007.01 大阪 万博公園 / 2004.06 数寄屋橋 左は復元された明日の神話。その後 東京都現代写真美術館で公開され、11/18より渋谷のマークシティ(井の頭線通路)にて…

南町・金山神社

● 2003.12 南町 左端の「公昌薬局」は土地柄「公娼〜」と見間違う。真ん中は「赤線跡を歩く」にも出てくる円柱を誇るファサード。右端は"特飲街"。 川崎といえば「堀之内」ということになるが、戦前「貸座敷免許地」(遊廓)に指定されていたのは堀之内では…

その他横浜

2003.11-12 横浜● 野毛 左から 夜の都橋商店街・昼の都橋商店(抜けにソープ「角海老」のポール)・都橋商店街の散髪屋。● 曙町・横浜橋市場 面白い写真館の裏手の露地*1・木村聡「赤線跡を歩く」にも出てくる円柱・横浜橋市場 ● 福富町・日ノ出町 ソープ&コ…

かもめ座etc

● 2003.11-12 横浜大岡川右岸 左端が横浜日劇(「赤目四十八瀧心中未遂」上映中)、真ん中は奥に横浜日劇 上手手前に「シネマ ジャック&ベティ」(勝新特集上映中)、右端がストリップ小屋の黄金劇場(撮影時は営業停止中)。大岡川左岸 左から2枚が光音座、右端…

黄金町

● 2003.11 神奈川県横浜市 黄金町。 板子一枚下は地獄、通りを横町へとわずかに入ればそこは苦界。そして私はただの通りすがり。「外へ出ると、あたりの風景が先日の昼間にも増して殺気立って見え、目に入るすべての物陰から、誰かが私を監視している様な気…