四ッ谷荒木町
「東京の階段」(07年12月)なる書籍が刊行され、タモリ倶楽部にその著者が出演したりもしたのだけれども、私が階段に開眼したのは四ッ谷荒木町でのこと。ここは窪地のために階段が多いのである。ついでにもともと花街だったこともあって、ちょっと違う雰囲気を味わえる町でもある。…などと書くと、同じく旧花街であり、起伏を感じられる渋谷の円山町を想い浮かべるかも知れないが、荒木町は開放的でカメラ片手にぶらぶら歩いて大丈夫な町。「東京人」98年10月号(「特集東京の町並み大研究。」)によると、オイルショックを期に急速に茶屋が減り、1977年に検番がなくなったとのこと。(舟橋聖一「女めくら草紙」、芝木好子「群青の湖」は荒木町が舞台) 30分もあればぐるりと廻れる町であるのだが、石畳あり階段あり池*1ありなんやかんや。くいもの屋ではカツ丼の「鈴新」が有名であろうか(私のくちは合わないが)
下段右端の地図はクリックすれば判別できるサイズに。赤がメインストリート。なお、上述の「東京人」、10年前の雑誌とはいえ、東京散策をしてみたい人にはちょーお勧め。写真もいいのだけれども、東向島・原宿・荒木町・谷中・北千住の絵地図がついていてこれがいい。絵地図は正確でないわけだけれども、谷中などは一般の地図では回りきれないと想う。もちろん横目になにかを感じた方へ脚を向け、入り込んでいくのが散策の愉しみではあるけれども。
ちょっとした露地を写真に撮る面白さは、なにかしらの赤が入ってくることではないかと、最後にひとりごと。
- 作者: 松本泰生
- 出版社/メーカー: 日本文芸社
- 発売日: 2007/12/24
- メディア: 単行本
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*1: 津の守弁財天と共に「カッパ池」がある。