駅前陋巷から世界へ 鶯谷

四ッ谷・渋谷・茗荷谷と地名に「谷」のつくこれらの土地は、地下鉄が地上を走ることで その地がまさに「谷」であることを思い知らされる。同じく「谷」のつく鶯谷、ここは「谷」なんて呑気な言葉の似合う場所でないのはいうまでもない。

駅前がいきなり陋巷…こんなところは山手線では他にない。住所でいえば台東区の根岸になる。根岸といえば、落語好きなら「茶の湯」の 年寄りが隠棲する風流な場所を想い浮かべてしまおうか。そもそも鴬谷の呼称自体 本来は風情あるもののはずだが、今日にあってはかえって淫靡さを増すばかりである。土砂降りのなか、タクシーでここを通りがかったことがあるけれども、ここほど土砂降りの似合う場所も珍しいかも知れない。雨に濡れる車の窓ごしに滲んで見えるネオン。ずぶ濡れの緑魔子の幻影を見る。
● 2005.10 鶯谷(東京都台東区根岸)

アド街ック天国のHPにで2001年以降のオンエアを確認すると、鶯谷特集は一度もない。山手線の駅であるにもかかわらずである!(当たり前だ) しかし2006年10月07日の「根岸」特集にて第10位「ホテル」をはじめ、この界隈が紹介されている。それから あれだ、韓国デリヘルのメッカちゅうことで、宣材写真のあの独特のレタッチ技法が 将来"UGUISUDANI"と呼ばれ、ワールドワイドに通用する日が来るかも知れん。

[追記] 市ヶ谷経済新聞のこちらのエントリによると、鶯谷駅が山手線の極東であるとのこと。(西が新大久保駅、北が田端駅、南が大崎駅)