すでに過去の新橋

● 2003.11 新橋(東京都港区) 俗にいう駅前ソープ。

この眺めが好きであった。荒木経惟が[手前に下町・抜けに聖路加タワー]の構図を好んで撮るけれども、そういう意味でアラーキー的に想える。聖路加もここも電通つながりであるし。(↑は電通が隠れているが) ちゃんとしたレンズで撮りなおせば いい写真になるのではないかと想うけれども、手前のソープはすでにない。

参考までに件のアングルをgooglestreetviewで見ると … ご覧の通り。


名画座通いを趣味にしてきたので、名画座廃館の報道に気を配ることとなる。どこぞが潰れる度に「名画座が消える」「惜しまれながら終映」などという感傷的な記事を読むはめとなる。あっさり言えば、並木座は排水くさく、新宿昭和館*1はおちおち映画を「鑑賞」する環境ではなく、浅草東宝のオールナイトは半ば簡易宿泊所であった。新聞が調子に乗って「文化」扱いするような場所ではないのだ。果たして駅前ソープと名画座とに何の違いがあろうか。「文化」扱いのお化粧塗りが可能か否かの違いしかあるまい。ともに昔は「悪所」と呼ばれたのである。

過日、当ブログを「水蛇の背」様方にてご紹介いただいた。私自身「水蛇の背」を08月になって知るや、過去のエントリを全て拝見していったということもあって、嬉しいかぎり。(BMからして、このブログを最初に発見したと想われる KaKaさんところも!) 一方でそちら経由でうっかりここに来るや、売春施設の写真が貼られ、成人映画について書かれる この汚らしいブログに吐き気をもよおす者もいよう。それはもう ざまあみやがれ としか言いようがない。

Viva 「廃残者、失敗者、落伍者、変人、無能力者」*2  

*1: 新宿昭和館はとにかく上映中は館内が明るかった。最後列では大袈裟でなく新聞が読めたので、3本立てのうち、目当てでない作品の上映中は競馬の予想に費やしたりもしたくらいである。 えっ なぜ明るいのか? いや逆に暗いと怖いよ。そういうところだ。

*2: 太宰治「春の枯葉」より