法政大学学生会館


○ 2003.08 法政大学構内(東京都千代田区) 雨の滴に見えるのはオーブである。内ゲバで死んでしまった人びとの怨霊である。


「ねえ、クルプスカヤ」「なんだい、清水?」「革命がうまくいったら、なにかいいことがあるの?」「あるですとも! 大河ドラマで『太田龍がいく』が4年かけて放送されたり、小金井の『江戸東京たてもの園』が『共産にっぽん革命建物博物館』に改装されるんだですとも!」

そうだ、共産にっぽん革命建物博物館が出来るのだ。そこには何が展示されるのか。やはり法政大学六角校舎や学生会館、池袋時代の前進社ビルが復元されるのは確実で、斎藤和と浴田由紀子が互いの本名も知らぬままに暮らした亀戸のマンションの一室もだ。鈴木邦男さんが暮らす「みやま荘」も蝋人形と化した鈴木さんとともに展示されるだろうし、三里塚空港管制塔からは一日3回 1978年3月26日のごとく紙がまかれるショーが催されるわけだ。おみやげショップでは、火炎放射機で自民党本部を燃やした中核派の改造車を模したミニカーや、重信房子やゲバルト・ローザのフィギア、中曽根訪韓阻止とゲバ文字を染めた手ぬぐいが売られるのだ。

※ 実際のところは、世間のイメージと異なり、ジャズトランペットの練習の音、ロックバンドの演奏、応援団員がパタパタ走る音、演劇のあえいうえおあお、夜は麻雀牌の音が響く場所であった。それからサミュエル・フラーの上映etc。