宇多田ヒカルPV難癖ブックマーク

20世紀の終わりの私は、下を向いていきていた。なにしろ大塚銀悦の「濁世」を読んでいた頃である。大塚銀悦・国映のピンク映画・水道橋の場外、私の居場所はそんなところにあった。つまりは日蔭者であった。宇多田ヒカルの登場は、そのような私に追い打ちをかけ、この日本社会から居場所を失うような疎外感を覚えさえした。そんなころ、亀有名画座(拙ブログエントリ「ラストショー / 亀有名画座」)が閉鎖したりもした。97年の山一破綻により、経済危機が言われたけれども、カタストロフィは訪れることはなかった。「希望は戦争」のようなことを、あの破綻の際に想ったのだ。そのような無能者には天才少女は眩しすぎた。

以下は、過日youtubeに全曲のPVをアップしたhikkiさんのそれを発表順に視聴・ブックマークしたものの整理である。

なお、紀里谷さんは素晴らしいディレクターであると想う。画の作り込みのみならず、編集も上手いし、演出もしている。映画がつまらないくらいで、紀里谷さんの名を揶揄的に用いたりするニンゲンを、私は否定する。


1998_12_09 (その週末にエイシンルバーンが朝日杯を走る) 改めてみると、腰を低くしたカットは案外多くない。2min58secの箇所、HSで撮って可変をかけたい動きだけれども。 2010/11/12

声に効果をかけているがためにリップシンクロを狙うべきでない箇所でリップをとっている。相当ダメな代物。 素の声はじまりでリップを映すと気持ちいい画になろうけれども。フッテージ素材の波も失笑。 2010/11/12

撮影・編集の小技を詰め込んだPV。どう撮っていいんだか、わからない、てな感じだったのだろうか。 2010/11/12

2分ジャスト「君にAddictedかも」、ここが引き画なのはダメだろうと想うが、全般、キメを意図的に避けた演出。スカした感じ狙いの演出? 2010/11/12

dirは穴見さんだったか。メイクがひどい。110%くらい長体をかけたんじゃないかと想えるような顔が何ヶ所か。見た当時は、SE入れていいんだと驚いた。 2010/11/12

どうもこうもない代物。 2010/11/13

リップシンクロとロボットとのシーンを撮ったのはいいが、まるで編集しきれなかった代物。 2010/11/13

酔狂。 2010/11/13

こんな圧縮された映像でいうのもあれだが、下手の蛍光灯がきつい。 2010/11/13

当時はまだCM制作会社に居た。見てはいけないものを見た気がした。編集・コンポジットに時間をかけられるPVには、たちうち出来ないと想った。(当時ポスプロのPV料金なる言葉があった。) 2010/11/13

くちぱくの精度のバラツキは演出かどうか知らないが、気持ち悪い。画がいいので、もったいない。 2010/11/13

単調なようでちゃんと展開していく。51secの、リップシンクロがてらに言葉を発しそうで発しない演出が素晴らしい。 2010/11/13

2:30のデフォーカスから素早くフォーカスをとる箇所のみいい。他は凡庸。 2010/11/14

ターセムとか石岡瑛子とか、そんな感じ。最後の空撮は画が重い。抜けて広がっていく感じがまったくしない。 2010/11/14

dirは紀里谷さんだが、HS撮りの可変を効かせまくった方がよかったんじゃなかろうか。後半は可変を結構つかっているが。 2010/11/14

眼球に入っていくのはカイル・クーパーのぱくりでやたらと見てきたが、眼球から出てくるのは初めて見た。dirは武藤さん。にしては、派手さが足りない。 2010/11/14

武藤さんに続いて、今度は武石渉。急に往時のエイベックスの2巨頭が。武石さんというとバックライト+アオリの印象だが、そういう画はない。かなりダメな代物。 2010/11/14